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『センセイの鞄』

今更ですが、川上弘美の代表作、読んでみました。

Senseinokaban 『センセイの鞄』
川上弘美 著
文春文庫

これだけ有名な作品なのにもかかわらず、ほとんど前知識なしで読み始めました。

あまりに淡々と、ごく普通の日常としてセンセイとツキコさん(語り手である「私」)の関係が描かれ、「教師と元教え子」という言葉から連想するような卑猥さは全くありません。つかず離れずの関係から始まり、ツキコさんのセンセイに対する揺れ動く思い、それを全く意に介さないかのように振舞うセンセイ。「出奔した」元妻との思い出の地に連れて来られ、そうとは知らずに期待して付いてきた自分に対するツキコさんの絶望にも似た開き直り。そしてセンセイからの「正式なお付き合いの申し込み」に「さっきからそのつもりなんですけど」と答える彼女。このぎこちない二人の関係は、ひょっとしたら決して交わることのない2本の平行線のようなのかもしれない。でもその距離は果てしなく近く、そして遠い。読んでいて切なさがこみ上げてきた小説は久しぶりでした。

終わりがまたなんとも切ないです。こんなすごい本があったんだなー。

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コメント

Rubyさん、こんにちは。

他の人がおススメしている本ってとても気になります。
新しい作家さんに挑戦するときって
ちょっとした勇気が必要ですよね。
でも、Rubyさんの紹介を読んでいたら
この本、読んでみたくなりました。
見つけたら買ってしまおう。

投稿: みゆき | 2006年3月24日 (金) 09:21

私も川上弘美については、「芥川賞作家である」ということしか知らなかったのですが、良かったですよ!
確かに、今まで読んだことのない作家の作品を読もうというきっかけって、なかなかないかも・・・ジャケ買いとか?(笑)
私もみゆきさんの読書日記、楽しみにしてるんですよ~。これからもじゃんじゃんアップお願いしますね!

投稿: Ruby (みゆきさん) | 2006年3月26日 (日) 02:12

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